FX自動売買では、「どれくらい利益が出るか」だけでなく、 どれくらいのリスクがあるのかを理解することが重要です。
本サイトでは、トライオートFXを利用した自動売買ポートフォリオを公開しています。
このページでは、必要証拠金の考え方やロスカットレートの水準など、
本ポートフォリオのリスク管理について、できるだけ分かりやすく解説します。
現在、筆者は8通貨ペアを運用しています。
それぞれの通貨ペアの最大必要証拠金を単純合計すると、理論上は3,000万円を超えてしまいます。
しかし実際の運用では、すべてのポジションが同時に最大まで増えることはほとんどありません。
通貨ペアの値動きや売買レンジの構造、さらに通貨ペア同士の相関によって、
口座全体の必要証拠金は変動します。
このページでは、以下のポイントを中心に 「なぜこのポートフォリオが3,000万円で運用できる設計になっているのか」 を、初心者の方にも分かるように整理します。
- 両建てで必要証拠金が単純合計にならない理由
- 各通貨ペアごとのロスカット水準
- 円建てでの必要証拠金の考え方
- 通貨ペア間の相関関係
- ポートフォリオ全体の必要証拠金の考え方
両建てでも必要証拠金が単純合計にならない理由
本ポートフォリオでは、多くの通貨ペアで「売り」と「買い」の両方を運用しています。
ただし、売りレンジと買いレンジは異なる価格帯に設定しています。
例えば、相場が上昇すれば売りポジションが増えやすくなり、
反対に相場が下落すれば買いポジションが増えやすくなります。
そのため、売りポジションと買いポジションが同時に最大数まで積み上がる可能性は低く、 必要証拠金は単純合計より小さくなる構造になっています。
このイメージを図で表すと以下のようになります。
各通貨ペアのロスカット水準
まず、FX初心者の方に向けて「ロスカット」について簡単に説明します。
ロスカットとは、口座資金を守るために強制的にポジションを決済する仕組みです。
FXでは、相場が大きく動いた場合に口座資金以上の損失が出ないよう、 証券会社が自動的にポジションを決済する仕組みが用意されています。
本ポートフォリオでは、各通貨ペアごとに 「どの価格まで相場が動いたらロスカットに近づくか」を想定し、 余裕を持ったレンジ設計を行っています。
以下は、現在設定しているロスカット水準の一覧です。
多くの通貨ペアで、これまでの歴史的な高値・安値の外側に設定し、
急激な相場変動にも耐えやすい設計にしています。
円建てでの必要証拠金の考え方
FXの価格は、基本的に「通貨ペア」で表示されます。
例えば
AUD/NZD = 1.08
と表示されている場合、これは「豪ドルがニュージーランドドルに対していくらか」を意味します。
しかし、日本の投資家にとって重要なのは 最終的に日本円でいくらの損益になるかです。
そのため本ページでは、ロスカットレートに達した場合に 日本円ベースでどの程度の必要証拠金になるのかも計算しています。
さらに、現在の為替レートだけでなく、過去の円安水準も考慮し、 対象通貨のクロス円レートの高値・安値も参考にして必要証拠金を計算しています。
通貨ペア間の相関
複数の通貨ペアを同時に運用する場合、 通貨同士の値動きの似ている度合い(相関)も重要になります。
例えば、同じ通貨を含む通貨ペアは似た動きをすることがあります。
もし似た動きをする通貨ペアばかりを運用すると、 相場が大きく動いたときにすべてのポジションが同時に損失になる可能性があります。
そのため本ポートフォリオでは、通貨ペアの組み合わせを分散し、 相関関係も確認しながら運用しています。
- 1に近い:同じ方向に動きやすい
- 0付近:ほぼ独立した値動き
- -1に近い:逆方向に動きやすい
以下は、2020年以降の日足データをもとに作成した通貨ペアの相関係数です。
0.60以上(または-0.60以下)の組み合わせは、 比較的相関が強い通貨ペアとして赤字で表示しています。
相関が低い通貨ペア同士は、必要証拠金が重複しにくい
相関が低いということは、2つの通貨ペアが同じタイミングで同じ方向に動きにくいということです。
例えば、通貨ペアAで含み損が拡大している局面でも、 相関係数の低い通貨ペアBでは、同時に同じような含み損の拡大が発生しにくいことがあります。
つまり、1つの通貨ペアで必要証拠金が増えていても、 別の通貨ペアではまだレンジ中央付近にあり、建玉が少ない状態にとどまることがある、ということです。
このイメージを図で表すと以下のようになります。
複数通貨ペアのポートフォリオでも、同じ考え方が当てはまる
本ポートフォリオでは、こうした相関の低い通貨ペアを複数組み合わせて運用しています。
そのため、1つの通貨ペアが売りレンジ上限や買いレンジ下限に近づいていても、 他の通貨ペアまで同時に同じ状態になっているとは限りません。
各通貨ペアの最大必要証拠金を単純に足し合わせると3,000万円を超えますが、 実際には通貨ペアごとに値動きや位置がズレるため、 ポートフォリオ全体で必要証拠金が同時に最大化しにくい構造になっています。
この考え方を、複数通貨ペアのポートフォリオとして図で表すと以下のようになります。
実際のチャートでも、同時に一方向へ集中しにくい
理屈だけでなく、実際に運用している通貨ペアのチャートを重ねて見ても、 すべての通貨ペアが同時にレンジの上限・下限へ集中している場面は多くありません。
もちろん、ある程度同じ方向に動く局面や、一時的に含み損が重なる局面はあります。
ただし、常に全通貨ペアが同時に一方向へ偏るわけではないため、 ポートフォリオ全体としては一定の分散効果が期待できると考えています。
実際のチャートを重ねたイメージは以下の通りです。
ポートフォリオ全体の必要証拠金
各通貨ペアの最大必要証拠金を単純合計すると、 理論上は3,000万円を上回る設計になります。
しかし実際には、売りレンジと買いレンジの分離や通貨ペアの分散により、 すべてのポジションが同時に最大化する可能性は低くなります。
また、同じ方向に動きやすい通貨ペアがあっても、 売買方向や建玉の積み上がり方が常に一致するわけではありません。
そのため、ポートフォリオ全体では一部の通貨ペアで必要証拠金が増えても、 別の通貨ペアでは建玉が増えないことがあります。
このような分散構造により、 本ポートフォリオは3,000万円の資金でも運用可能な設計としています。
なお、通貨ペアごとの最大想定リスクや建玉数の詳細については、
ポートフォリオページで公開しています。
実際の設定をあわせて確認したい方は、以下のページもご覧ください。