相場考察

【相場考察】株は最高値圏、為替はまだ揺れる|前回記事のその後を4月後半時点で整理

相場考察

4月第4週の相場を見ていると、前回の記事からさらに一歩進んだ変化が見えてきます。

それは、株式市場では「中東ショックはかなり通過した」と見る動きが強まっている一方で、為替市場ではまだそこまで割り切れていないことです。

米国とイランの協議継続期待を背景に、株価はかなり強く戻しました。 一時は大きく崩れた市場心理も、足元ではかなり落ち着きを取り戻しています。

ただし、為替市場はそこまで単純ではありません。

ドル、安全資産需要、原油価格、そしてインフレ見通しがまだ完全には整理されておらず、 株のように「もう元通り」とは言い切れない状態が続いています。

私のような分散型の自動売買にとっては、このズレが重要です。 全面的な安心感で一方向に進む相場というより、大きな不安は後退した一方で、通貨ごとの材料差はまだ残っている局面だからです。

その意味で今週は、前回の記事で整理した 「株は戻ったのに、為替はまだ完全には戻っていない」 という構図が、その後どう進んだのかを確認する週だったと見ています。

■ 株式市場はかなり楽観に傾いてきた

前回の記事を書いた時点でも、株価は中東情勢悪化前の水準にかなり戻っていました。

その後はさらに安心感が広がり、米国株は最高値圏に迫る動きになりました。

背景にあるのは、米イラン協議が完全決裂しておらず、 市場が「最悪の事態は避けられるかもしれない」と見始めたことです。

特に株式市場は、将来の最悪シナリオを先回りして織り込み、その修正で大きく戻ることがよくあります。

今回もまさにその形で、 中東情勢の悪化局面で売られた分を、足元ではかなり取り戻してきました。

株だけを見ると、相場はほぼ平常化に向かっているようにも見えます。

■ ただし、為替はまだ「中東後」の調整が続いている

一方で、為替市場は株ほど単純には戻っていません。

その理由は、今回の中東情勢が為替に与えた影響が、単なるリスク回避だけではなかったからです。

  • 原油価格の急騰リスク
  • インフレ再燃への警戒
  • 主要中銀の利下げ時期の後ずれ観測
  • 安全資産としてのドル需要

こうしたテーマは、協議継続のニュースだけですぐ消えるものではありません。

そのため為替市場では、 株が安心感を織り込んでも、 「ドルを全面的に売る」「リスク通貨を全面的に買う」 という流れにはなりにくい状態が続いています。

実際には、安心感が出るとドルが売られ、 再び供給不安や交渉の不透明感が意識されるとドルが買い戻される、 という往復が続いています。

■ 原油価格は落ち着いたが、市場テーマは消えていない

今回の変化を語るうえで重要なのは、原油価格の動きです。

中東情勢が最も緊迫していた局面では、ホルムズ海峡を巡る供給不安から原油価格が急騰しました。

その後、協議継続期待や最悪シナリオ後退を背景に、原油は大きく反落しました。 ただし、完全に落ち着いたわけではなく、供給不安が再び意識されれば振れやすい状態は続いています。

これは株式市場にとって非常に大きな安心材料です。 エネルギー価格の急騰が落ち着けば、景気や企業収益への過度な不安もやわらぎやすくなります。

ただし、為替市場ではそれだけで完全正常化にはなりません。

いったん相場が織り込んだ 「インフレが再び長引くかもしれない」 「中銀が簡単にはハト派に戻れないかもしれない」 というテーマは、まだ完全には消えていないからです。

そのため今の為替は、株よりも慎重で、 安心感と警戒感が交互に出る状態が続いていると見ています。

■ 直近の為替市場は「全面ドル安」でも「ドル再上昇」でもない

この数日の値動きを見ると、今の為替市場はかなり象徴的です。

協議進展期待が出るとドルは弱含み、 株は上がり、原油は下がりやすくなります。

一方で、交渉の先行き不透明感や供給不安が再び意識されると、 ドルと原油が買い戻されます。

つまり今の為替市場は、

  • 中東リスク後退ならドル安方向
  • 供給不安再燃ならドル高方向
  • ただし、どちらも一方向には続きにくい

という構図です。

これは、相場が完全に平常化したというより、 安心感が広がったあとに、現実的なリスクを織り込み直している段階だと考えると分かりやすいです。

■ 私の運用への影響は「不安定さの解消」ではなく「往復の継続」

こうした地合いは、私の運用にとって必ずしも悪いものではありません。

私のポートフォリオは、どちらか一方向に強く走る相場よりも、 複数のテーマが残りながら、一方向には決め切れずに往復する相場の方が利益機会につながりやすいからです。

今回のように、

  • 株価はかなり戻っている
  • 原油はピークから反落している
  • ただし中東リスクもドル需要もまだゼロではない
  • その結果、通貨ごとの反応差が残る

という環境では、ポートフォリオ全体で見れば比較的運用しやすい地合いが続いていると考えています。

つまり今週の変化は、 「もう安全になった」 ではなく、 「一方向の緊張相場から、テーマを残した往復相場に移っている」 と見る方が実運用には合っています。

■ 引き続き見やすいのは「材料がぶつかる通貨ペア」

こうした局面で引き続き見やすいのは、単純にドル高かドル安かだけでは決まりにくい通貨ペアです。

たとえばUSD/CHFは、

  • 中東リスクではドルもフランも買われやすい
  • 安心感が広がるとドル買いが巻き戻されやすい
  • ただしフランも完全には売られにくい

という構図があり、一方向に走り切りにくい通貨ペアです。

NZD/CADも同じです。

原油価格のピークアウトによって、CAD側の追い風が一本では効きにくくなる一方、 株高やリスクオン期待はNZDを支えやすくなります。

ただし、どちらも決定打にはなりにくく、結果として往復しやすい地合いが続きやすいです。

こうした通貨ペアは、 今週のような「株はかなり戻ったが、為替はまだ材料整理の途中」という局面で、比較的扱いやすい対象になりやすいと見ています。

■ 一方で、原油テーマ一本で見ていた通貨ペアは少し難しくなった

3月に強く機能した原油テーマ直結の通貨ペアは、足元では少し見方が変わってきました。

原油高が一本調子で続く相場では、エネルギー輸出国通貨の優位が分かりやすく出ます。

しかし今は、原油がピークから大きく反落した一方で、 供給不安が完全に消えたわけでもありません。

そのため、 「原油が上がるからこの通貨が強い」 という一本線では見にくくなっています。

今の運用環境は、原油テーマ一本というより、 原油・ドル・リスク選好のバランスを見る段階に移ってきたと感じます。

■ 今後のポイントは「株の安心感が為替にも定着するか」

今後の最大の注目点は、株式市場で広がった安心感が、為替市場にも本格的に定着するかどうかです。

もし米イラン協議がさらに前進し、ホルムズ海峡を巡る供給不安が後退し、原油価格がもう一段落ち着くなら、 為替市場でもドルの安全資産需要は徐々に薄れやすくなります。

その場合は、これまで抑えられていたリスク通貨や資源国通貨の戻りが、より素直に出やすくなるでしょう。

一方で、協議が長引くだけで根本解決に至らず、 供給不安や原油高が再び意識されるなら、 為替市場は引き続き神経質な往復を続けやすいと見ています。

現時点では、まだ後者の可能性も十分残っています。

そのため私は、今の相場を 「完全な正常化」ではなく、「安心感が先行したあとの再点検局面」 として見ています。

■ まとめ

4月第4週の相場を前回記事の続きとして整理すると、 株式市場はさらに安心感を強め、かなり正常化に近づいてきました。

しかし為替市場は、まだそこまで単純ではありません。

ドル、安全資産需要、原油、そしてインフレ見通しがなお残っており、 相場は「全面リスクオン」ではなく「テーマを残したままの往復」に近い状態です。

この環境は、私のような分散型の自動売買にとって、必ずしも悪いものではありません。

むしろ、通貨ペアごとの材料差が残り、一方向には走り切らないことで、 決済機会を作りやすい地合いが続いていると見ています。

つまり今週の相場は、 「株はほぼ戻ったが、為替はまだ完全には戻り切っていない。そのズレがまだ運用機会を残している」 と整理すると分かりやすい一週間でした。

こうした局面で重要なのは、どの通貨ペアを採用するかだけでなく、 どの役割で組み合わせ、どこまで耐える設計にしているかです。

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先週(2026年4月第3週)の相場考察記事はこちら

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