相場考察

【相場考察】RBAは利上げ打ち止めか?|それでもAUD/NZDをすぐ弱気で見ない理由

相場考察

今週の相場考察では、5月19日に公表されたRBA議事要旨を受けて、AUD/NZDをどう見ればよいのかを整理しておきたいと思います。

今回の議事要旨を受けて、市場では「RBAはひとまず利上げ打ち止めに近づいているのではないか」という見方が出ています。

ただし、それだけでAUD/NZDをすぐ弱気に見るのは少し早いと考えています。

なぜなら、豪州の追加利上げ観測はやや後退しても、豪州とニュージーランドの金利差や景気の温度差は、なお残っているからです。

AUD/NZDは、単純に「豪州が利上げするかどうか」だけで決まる通貨ペアではありません。 金融政策の差、景気の強弱、中国景気、商品市況、リスクセンチメントなどが重なって動きます。

今回は、RBA議事要旨が何を意味するのか、NZ側の状況はどうなのか、そしてそのうえでAUD/NZDをどう考えるべきかを整理していきます。

■ RBA議事要旨は「すぐ次も利上げ」ではないことを示した

今回のRBA議事要旨で市場が受け取ったのは、豪州中銀が5月の利上げ後、いったん影響を見極める余地があると考えていることです。

これは、追加利上げを完全に否定したというより、すでに政策金利が景気をある程度抑える水準に入っており、ここからは様子見の時間も必要だという認識です。

つまり、今回の議事要旨は

  • 豪州はまだ高金利を維持しそう
  • ただし、連続利上げを急ぐ局面ではなさそう

という整理が自然です。

このため、豪ドルにとっては「もう一段の強い追い風」ではなくても、すぐに緩和方向へ転じるという話でもない、という点が大事です。

■ そもそも5月のRBA利上げ自体は、豪州のインフレ警戒が残っている証拠

今回の議事要旨だけを見ると、ややハト派寄りに感じるかもしれません。

ただし、その前提として、RBAは5月5日に実際に利上げを行っています。

その背景には、中東情勢を受けたエネルギー高や、インフレ見通しの上振れリスクがありました。

つまり豪州は、

  • 景気減速リスクを見ている
  • それでもインフレ警戒を手放していない

という状態です。

この意味で、今回のRBAは「追加利上げを急がない」のであって、 「もう豪州優位が終わった」わけではないと見る方が自然です。

■ NZ側は依然として「回復の弱さ」が目立つ

一方で、ニュージーランド側はかなり違う景色です。

RBNZは政策金利を2.25%で据え置いており、家計・投資・雇用の弱さを意識しながら、景気の回復を慎重に見ています。

住宅価格の弱さ、高い失業率、慎重な消費行動などを踏まえると、現時点ではNZの方が景気面で繊細です。

つまり今は、

  • 豪州は高金利維持が続きやすい
  • NZは回復優先で慎重姿勢が続きやすい

という差が残っています。

この差が、AUD/NZDをすぐ弱気で見なくてよい最大の理由です。

■ AUD/NZDは「追加利上げがあるか」だけで決まらない

AUD/NZDを見るうえで注意したいのは、この通貨ペアが政策金利の差だけで一直線に動くわけではないことです。

もともと豪州とニュージーランドは、地理的にも経済的にも近く、どちらも外需や中国景気、商品市況の影響を受けやすい国です。

そのため、豪州がやや優位でも、

  • 中国景気が弱い
  • リスクオフが強まる
  • 豪州景気の鈍化が前面に出る

といった場面では、AUDが思ったほど上がらないこともあります。

逆に、RBAが打ち止め観測に入っても、NZ側の回復が弱いままであれば、AUD/NZDがすぐ大きく崩れるとも限りません。

つまり今のAUD/NZDは、 「豪州の追加利上げがあるか」より、「豪州優位の構図がどこまで残るか」 で見る方が実務的です。

■ 現時点では、なお豪州優位を基本線に見やすい

今の材料を総合すると、AUD/NZDはなお豪州優位を基本線に見やすいです。

理由はシンプルで、

  • RBAは高金利を維持する可能性が高い
  • NZは景気回復の弱さを抱えている
  • 両国の金利差は依然として大きい

からです。

もちろん、前回のような「RBA利上げ直後の豪ドル優位」がさらに強まる局面ではなくなったかもしれません。

ただ、だからといってすぐに 「AUD/NZDはもう下方向」 と決めるのは早いです。

今はむしろ、上方向バイアスを残しながら、以前よりは押し戻しも入りやすい局面に移ってきた、と見る方が自然だと思います。

■ 私の運用との関係

私のAUD/NZD運用はすでにレンジアウトしています。

そのため、今の局面をそのまま利益機会として取りに行くというより、 この通貨ペアの長期的な構造がどう変わっているのかを確認する段階にあります。

今回のRBA議事要旨を踏まえると、少なくとも 「RBAが打ち止め観測に入ったから、すぐに豪州優位が崩れる」 とまでは見ていません。

むしろ、

  • 豪州優位は残る
  • ただし追加上昇の勢いはやや鈍る可能性がある
  • その結果、押し目と戻りを挟みやすくなる

という見方の方がしっくりきます。

相場考察では具体的な損益には触れませんが、運用上は、こうした局面では「利上げ継続か停止か」の二択で考えるのではなく、豪州とNZの差がどこまで残るのかで見ていくことが重要です。

■ 今後のAUD/NZDで注目したいポイント

今後のAUD/NZDを見るうえで重要なのは、次の3点です。

  • RBAが本当に今回で打ち止めになるのか
  • RBNZが5月下旬以降も慎重姿勢を続けるのか
  • 中国景気や商品市況が豪州・NZのどちらにより強く効くのか

もし豪州のインフレが再び強く、RBAが高金利維持を長引かせるなら、AUD/NZDは上方向を保ちやすくなります。

一方で、豪州景気の鈍化が強まり、NZ側に回復の芽が見えてくれば、AUD/NZDは以前より押し戻されやすくなるでしょう。

その意味で、今後は「RBAが利上げするか」だけではなく、 豪州優位の構図がどこまで薄まるか を見ていくのが大事だと考えています。

■ まとめ

今回のRBA議事要旨を受けて、市場では利上げ打ち止め観測が強まりました。

ただし、それだけでAUD/NZDをすぐ弱気に見るのは早いと思います。

豪州は高金利を維持しやすく、NZは景気回復の弱さを抱えており、両国の金利差や景気の温度差はなお残っているからです。

そのため、AUD/NZDは今後、以前より押し戻しが入りやすくなる可能性はあっても、 豪州優位の基本線がすぐ崩れるとは限らない と見ています。

つまり今のAUD/NZDは、 「RBAの打ち止め観測=すぐ反転」ではなく、「豪州優位は残るが、上昇の勢いは少し見直す局面」 として見るのが分かりやすいと思います。

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